Ideal Sleep Ⅱ
──命あるものは皆、”死”からは逃れられない
死神
この世の生命が等しく迎える終わり、”死を司る存在”、死神。その実態は謎に包まれており、その多くは魔術、科学
が進歩した現在でも解明には至っておらず、死神当人ですら自らの素性を把握できていないことも珍しくない。
死神に寿命という概念は存在しない。”生命エネルギー”と呼ばれる独自の動力源を持ち、それを使い果たした死神は、
存在ごと消滅する。まさしく、死神の”命”そのものとも言える代物である生命エネルギーは、自身の傷を癒したり、特殊な
力を使うことで消費される。この世に生命がある限り自然に回復するものであるため、そう簡単に消滅することはない。
死神は個体、個人ではない。しかし様々な刺激を受けることにより、ごく稀に人間性を獲得することがある。
能力に差はあれど彼らの役割は等しく、魂を冥界へ送ること、なのだが──
「魂の裁定者」
(ソウル・ジャッジメント)
命が燃え尽きようとするその時、”死神の審判”が下される。
生かされるか殺されるか、全ては裁定者の審判次第。
裁定者の能力は、生者から魂を切り離し、自らの力に変えること。
彼らは ”亡き者を蘇らせる”力もあるという。
「魂の管理者」
(ソウル・ガーディアン)
死者の魂の居場所、冥界で魂を管理する、この世界における墓守。
冥界から魂が逃げ出したり、第三者に奪われたりしないよう、
常に目を光らせている。また、行く宛もなくさまよう魂を保護し、
管理下である冥界へ導くことも、管理者の役割の一つである。
派 生
「魂を喰らう者」
(ソウル・アブソーバー)
無差別に人の命を奪うことは禁忌とされ、裁定者が執り行うのは
あくまでも”審判”である。だがいつしか、殺傷によって魂を奪う
ことに快楽を見出す者や、我欲の為に力を使役する者が現れた。
そんなある種の人間性を獲得した「喰らう者」は裁定者および
管理者に”処罰すべき存在”として敵視されている。
派 生
「魂を使役する者」
(ソウル・コンダクター)
管理者の力を悪用し、魂をコレクションとして私物のように扱っ
たり、使い魔のごとく使役するなど、魂を我が物にする者たち。
「喰らう者」と異なり、魂を奪う行為に重きをおいていない。
当然ながら裁定者および管理者からは”処罰すべき存在”として
敵視されている。
「魂と共鳴する者」
(ソウル・レゾナンス)
死神でありながらその力を行使しない、あるいは行使できない者。
そもそも自身が死神であることを知らずに生活を営むものを指す。
このケースに該当する死神の多くは死神と生者との間に生まれた
存在である為、正式には死神とは呼べない。また、生者の子
である為、裁定者や管理者とは異なり、寿命が存在する為、
大抵の場合力を使い果たすことなく一生を終える。